前回の記事では、「聴覚」や「視覚」が鋭い繊細さんについてご紹介しました。
「ああ、これわかる!」と感じた方もいたのではないでしょうか。
今回はその続きとして、『触覚・嗅覚・味覚』に敏感な繊細さんについてお話ししていきます。
「服がチクチクする」「匂いに敏感」「濃い味が苦手」――
もし、こんなお悩みがあるなら、あなたもHSP(繊細さん)の気質を持っているのかもしれません。
HSPの特徴【触覚編】
締めつけられる服やタグ、肌ざわりに敏感
HSPといっても感じ方は人それぞれ。
中には触覚に対して敏感なタイプの繊細さんもいます。
このタイプの方は、衣服の「こすれ」や、人との接触に対して強く反応してしまう傾向があります。
HSPの触覚的な特徴
- 衣類や素材への敏感さ
服のタグや繊維の刺激が苦手で、かゆみや不快感の原因になることもあります。
また、雨や風といった自然の刺激にも敏感で、強い雨が“痛い”と感じられることもあります。 - 他者との接触に対する反応
握手やハグなど、他人に触れられることに抵抗感を持つ人も。
肌感覚が鋭いため、触れられる刺激が大きなストレスになってしまう場合があります。 - 痛みや熱に敏感
ほかの人より痛み・熱・寒さなどに敏感に反応する傾向があります。
また、天気や気圧の変化にも影響を受けやすいと言われています。
日常生活への影響
① 生活の質(QOL)の低下
肌が敏感なことで、不快感や痛みを感じやすく、服や寝具の選択肢が限られてしまう場合があります。
最近ではマスクの着用がストレスになる方も多く、小さな違和感や痛みが積み重なって、生活の快適さが下がってしまうことも。
② 人間関係への影響
人との身体的接触が苦手なため、人混みや距離の近さに強いストレスを感じることがあります。
また、他人との距離感をつかみにくく、座る位置や空間が落ち着かないなど、集団生活で困るケースも少なくありません。
✅ まとめ
HSPの触覚過敏は、一般的な感覚過敏とは少し異なります。
日常的な衣類・接触・天候など、あらゆる場面で繊細に影響を受けやすいのです。
それによって、生活の質や人間関係に影響が出ることもありますが、
適切な理解と工夫、そして周囲のやさしい配慮があれば、より快適に過ごしていくことができます。
HSPの特徴【嗅覚編】
香水や食べ物のニオイが気になる…それ、嗅覚系の繊細さんかも?
満員電車のにおいが苦手だったり、
雨が降る前の空気のにおいに気づいたり、
香水や柔軟剤の香りが強く感じられたり…
そんな感覚があるあなたは、嗅覚が敏感な繊細さんかもしれません。
HSPの嗅覚的特徴
- 強いにおいに敏感
香水・化粧品・タバコなどの人工的なにおいに対して過敏です。
また、他人の家のにおいや衣類の柔軟剤の香りにもすぐ気づく傾向があります。 - 人が多い場所が苦手
週末のデパート、満員電車、バスなど、さまざまなにおいが混ざり合う空間に長くいると疲れてしまいます。 - 「匂い酔い」しやすい
人のにおい・街のにおい・食品のにおい…
におい刺激を強く受けすぎてしまうことで、吐き気や頭痛、だるさを感じることも。
日常生活への影響
① 身体症状(頭痛・吐き気・気分不良)
強いにおいや苦手な香りにさらされることで、頭痛や吐き気などの不調が現れることがあります。
② 人混みを避けたくなる
屋内の人混みは、においのオンパレード。
テーマパーク、ショッピングモール、初売りセールなどでは、においによる刺激疲れが起きやすいです。
(※屋外なら平気、というHSPさんもいます。)
微細なにおいにも気づく感覚
嗅覚が敏感なHSPさんは、微細な香りにもすぐに気づきます。
そのため、不快なにおいに対して強いストレスや不調を感じやすいのです。
においによるストレスが積み重なることで、
**頭痛・腹痛・食欲不振などの“二次的な身体症状”**が出てしまう場合もあります。
特に人の多い場所や公共交通機関では、日常生活に支障が出ることもあるでしょう。
✅ まとめ
においに敏感な繊細さんは、わずかな香りでも強い不快感やストレスを感じることがあります。
でもその一方で、自然の香りや食べ物のにおいを、人一倍楽しめるという特性も持っているんです。
たとえば、ふとした風にのった花の香りに癒されたり、
食事の香りから「おいしそう!」と感動したり――
嗅覚の繊細さは、日常の小さな幸せを大きく感じ取れる、HSPさんならではの特権とも言えるでしょう🌿

📝 okchanのちょこっとアドバイス:
マスクの内側に、お気に入りのアロマやハーブの香りを忍ばせてみると◎🌿
自分の好きな香りで、自分を守るイメージで過ごしてみましょう。
HSPの特徴【味覚編】
「これ、隠し味入ってる?」味や食感に敏感な繊細さんのお話
食事中に、「あ、○○が入ってるな」「隠し味は○○かな?」と感じたことはありませんか?
そんなふうに味の微妙な違いに気づく人は、味覚が鋭いHSPさんかもしれません。
香辛料や辛み成分、添加物などに繊細に反応しやすいのが、味覚系HSPさんの特徴です。
HSPの味覚的特徴
- わずかな味の違いに気づく
調味料のほんの少しの違いや、素材の変化、香辛料の有無など、細かい味の違いを感じ取りやすい傾向があります。 - 食感にも敏感
ざらざら、パリパリ、ねばねば…といった食べ物のテクスチャーに強く反応する人も多く、特定の食感が苦手というHSPさんは少なくありません。 - 添加物や人工甘味料への反応
化学調味料や人工甘味料などに不自然さや違和感を感じ、不快に思うこともあります。
なぜ味覚が鋭敏なのか?
HSPさんの脳は、五感の情報を深く・細かく処理する特性があります。
そのため、味や香り、食感といった情報も、強く・多く受け取りやすいのです。
また、自律神経が敏感なこともあり、味覚刺激に対する身体の反応が強く出やすいという背景もあります。
日常生活への影響
① 食の好みが家族や友人と合わない
家庭での食事や外食の場で、**周囲は平気でも自分だけが食べにくい…**ということがあります。
② 旅行や出先の食事が不安になる
味付けが違ったり、ご当地食材が使われていると、慣れない味への抵抗感やストレスを感じやすくなります。
③ 「好き嫌いが多い」と誤解されやすい
同じ食材でも、調理法や味付け、食感の違いで食べにくくなる場合も。
でも、それは“嫌い”なのではなく、感覚的に受けつけないだけなんです。
こういった繊細な感覚は、HSPでない人にはなかなか理解されにくいこともあります。
✅ まとめ
味覚が敏感なHSPさんは、辛味・酸味・炭酸・カフェイン・人工甘味料などを繊細に感じ取りやすい特性があります。
そのため、外食が苦手だったり、食べられるものが限られてしまうこともあります。
でも逆に、自分の好きな味・心地よい食感をよく理解しているという強みでもあります。
だからこそ、自分に合った食事を選ぶことで、毎日の食事をより深く楽しめる――
それは、味覚が鋭いHSPさんならではの素敵な感覚です🍽️✨

📝 okchanのちょこっとアドバイス:
外食の予定があるときは、あらかじめお店のメニューをチェックしておくのがおすすめ◎
「これなら安心して食べられそう」というメニューを見つけておくと、当日も焦らず、気持ちにゆとりが持てますよ🌿
次回予告
さて、ここまでHSPさんの五感についてお話してきました。
「自分にも当てはまるかも…」と感じた方もいたのではないでしょうか。
「私って実は繊細なんだ」と気づいた人、
「あ〜、あるある!」と共感してくれた人――
きっと、それぞれの気づきや思いがあったと思います。
私は、「繊細であること」は**その人だけの“個性”**だと考えています。
100人いれば、100通りの感じ方がある。
自分の感覚は、自分にしかわからないものです。
だからこそ、その繊細さを否定せず、“個性”として大切にしながら付き合っていくことが大切なのではないでしょうか。
とはいえ、
他人の感情に振り回されたり、気を使いすぎたり、我慢しすぎたり…
日々の中で、知らず知らずのうちに疲れてしまうこともあると思います。
そこで次回は、
HSPさんが少しでもラクに、自分らしく過ごしていくための対処法や工夫をご紹介します🌿
私自身が実際にやってみて「よかった」と思えることも交えながら、
今日から取り入れられるヒントをお届けしたいと思っています。
ぜひ、次の記事も読んでみてくださいね。
この小さな記事が、あなたの日常を少しでも穏やかにできますように。
🌙 あわせて読みたい関連記事☟
▶︎ 予定があるだけで疲れちゃう?HSP(繊細さん)という気質の話
コメント